リーガルテック導入で失敗しないために──法務コンサルティング活用のすすめ

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契約業務の効率化を目指して「リーガルテック」の導入を検討する企業が増えています。
しかし、「ツールを導入したのに、思ったほど業務が改善されない」「現場に定着せず、使われなくなってしまった」といった声も少なくありません。

こうした失敗を防ぐために、法務コンサルティングの活用が有効です。
ツールの導入を単なる“IT化”に終わらせず、業務プロセス全体を見直す起点として設計できるかが、成功の鍵を握ります。

リーガルテックとは? ── 契約業務を効率化する5つの代表領域

「リーガルテック」とは、法務業務を効率化・高度化するテクノロジーの総称です。
特に企業の契約業務においては、以下の5つの領域で活用が進んでいます。

カテゴリー主な効用
契約ライフサイクル管理(CLM)契約作成〜更新までの一元管理、検索性・統制性の向上
電子署名ツール紙の契約書を不要にし、締結プロセスを大幅に短縮。リモート環境にも対応
ワークフローシステム契約の承認プロセスを電子化し、進捗の可視化・対応スピードを向上
AIレビュー・契約分析条項の抜け漏れやリスクを自動抽出。レビュー工数を削減し、精度を向上
リーガルリサーチ/ナレッジ管理法改正・判例などの調査を効率化。社内の法務知見の共有・検索にも有効

リーガルテック導入でよくある3つの失敗パターン

ツールの機能自体は優れていても、導入の仕方次第では効果が出ないこともあります。以下はよくある失敗例です。

1. 課題とツールのミスマッチ

例:承認フローの滞りがボトルネックなのに、AIレビューを導入しても効果が出ない

→ 本質的な課題の特定ができていないと、せっかくのツールも活かしきれません。

2. プロセスの属人化・非標準化

例:入力ルールが担当者によって異なり、契約データが乱雑になる

→ 標準化されていない現場にツールだけを入れても、逆に混乱を招くことがあります。

3. ユーザー定着・運用体制の不備

例:KPIも権限設計もなく、誰が何のために使うか曖昧なまま運用される

→ 結果として利用が進まず、ツールが“高価な置物”になってしまうのです。

法務コンサルティングを活用するメリットとは?

リーガルテックの導入で失敗しないためには、業務全体を見直し、ツールとプロセスを一致させる設計力が必要です。
その役割を担えるのが、法務コンサルティングです。

導入フェーズ法務コンサルを活用した場合自社のみで対応した場合
現状診断データ・プロセス両面で定量的に課題を可視化属人的なヒアリングで網羅性に欠ける可能性
ツール選定KPI・導入コスト・業務適合性を客観比較ベンダー任せやネット検索に依存しがち
実装設計権限・連携・移行手順まで設計社内調整負荷が高く、設計が曖昧になりやすい
定着・改善モニタリングと改善サイクルを設計「入れて終わり」になり、ROIが不明確に

「ツールを入れる前に、何を変えるか」を設計する

リーガルテックは、導入するだけで業務が劇的に改善される“魔法の道具”ではありません。

重要なのは、

  • 本質的な課題を特定し、
  • 最小限のツールで最大効果を得る設計をし、
  • 現場で継続的に回る仕組みに落とし込むこと。

この一連のプロセスを戦略的かつ実践的に設計できるのが、法務コンサルの価値です。

Strategy&Lawの支援について

弊社では、戦略コンサルティングと弁護士実務の両面から、リーガルテック導入を支援しています。

  • 法務KPIの設計や業務可視化
  • 業務プロセスとツールの最適な組み合わせの設計
  • 社内定着に向けたオンボーディング設計・研修支援

などを、企業ごとの実情に応じてカスタマイズします。

リーガルテック導入を「IT導入プロジェクト」ではなく、法務体制そのものを進化させるチャンスに変えてみませんか?

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