企業が成長フェーズに入ると、契約数の増加、新規事業や海外展開、資金調達など、法務が関わる領域は一気に広がります。しかし、多くの企業法務では次のような課題が見られるようになります。
- 契約審査や社内調整に時間がかかり、事業スピードを妨げている
- 個人の属人的な知識や経験に依存しており、標準化・仕組み化が不十分
- 業務範囲が広がる一方で、人員はすぐに増やせない
- 法務が「守り」に偏り、経営戦略や事業推進に十分貢献できていない
こうした課題を解決するのが「法務コンサル」の役割です。
法務コンサルとは
法務コンサルは企業の法務業務そのものを外部に代行するのではなく、法務部門の仕組みやプロセスを見直し、効率化・高度化を実現する支援を行います。
具体的には、
- 法務業務の棚卸し・可視化
- 契約審査や承認フローの標準化
- テンプレートやチェックリストの整備
- リスク管理体制の見直し
- DXツール導入やナレッジ共有の仕組み化
- 経営・事業部門との連携強化の仕組みづくり
といった改善策を、企業の成長ステージや業種に合わせて提案・実行支援します。
法務コンサルを活用するメリット
では、実際に法務コンサルを導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
(1) 法務部門の生産性向上
契約書レビューや社内承認フローの標準化によって、業務のスピードと精度を同時に高められます。
(2) 属人化リスクの低減
ナレッジの仕組み化により、特定の担当者がいなくても業務を回せる体制を構築できます。
(3) 経営・事業への貢献度向上
法務が「判断遅らせる部門」ではなく「事業を前に進める部門」として機能し、企業成長の推進役となります。
(4) 中長期的なコスト削減
人員をむやみに増やすよりも、業務改善で効率化する方が長期的にはコスト削減につながります。
法務コンサルはどのような企業に向いている?
法務コンサルは企業規模や業種を問わず導入メリットがありますが、特に効果を発揮しやすいのは、次のような課題や状況にある企業です。
- 急成長中で契約・案件数が急増している企業
- 法務人員が少なく、日々の対応で手一杯になっている企業
- 経営戦略と法務部門の連携を強化したい企業
- 海外展開や新規事業を控え、法務リスクに備える必要がある企業
こうした条件に当てはまる企業は、早期に法務体制を整えることで事業リスクを軽減し、スピード感ある成長を実現できます。
法務コンサルは成長戦略のパートナー
法務コンサルは、法務部門が成長に耐えられる体制をつくるための支援です。
効率化とリスク管理を両立し、経営や事業部門と連携できる仕組みを整えることで、法務は「守り」だけでなく「攻めの経営」を支える存在になります。
成長を続ける企業にとって、法務コンサルは将来の競争力を左右する重要な選択肢といえるでしょう。
Strategy&Lawでは、戦略コンサルティングと法務の両視点から、企業ごとに最適な法務体制の構築を支援しています。 自社の法務体制に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。